近畿南種子会会員の文芸、俳句、短歌、エッセーなど募集しています

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皆様の文芸


     島間出身 久保田 昭俊

五月のはじめまでが夏野菜の植えどき、昔も今も
糞は便利でよく効く肥料です。。

  鶏の糞入れて耕す十坪ほど

植える数が少ないから大方はホームセンターで
苗を買う。

 胡瓜苗少し高値の新品種

 評判は愛子てふ名のトマト苗

南瓜は種を播いて後はほったらかし。

 太陽に両手を広げて南瓜の芽

平成二十六年四月二十日



     島間出身 久保田 昭俊

四月は何と云っても桜さくら。世界に三百五十種あって日本ではその八割が染井吉野。いま売出し中の名品は河津桜。種子島に自生する桜は固有種とわかり暖流桜と名付けられたそうな。満開とはこのこと。

  一片もこぼさず花の盛りかな

近所を散歩したときの一句。

 フラッシュに泛かぶ女房と夕桜

この時期の天候は荒れることが多い。

 花散らす無情の雨と諾なへり

食欲があれば健康の証拠。

 はがす葉の指に貼り付く桜餅

平成二十六年四月七日
泛かぶ=うかぶ、 諾=うべ


     島間出身 久保田 昭俊

最近では余り見かけなくなった菜種畑ですが、
ここの菜の花畑はスケールが大きい。

  菜の花に押し上げられて薩摩富士

淀川の河川敷は整備された公園です。

 自転車の軽く風切る花菜畑

御伽ばなしの主人公は、お椀の舟に箸の櫂、
大志を持って京の都へ出ました。

 菜の花や一寸法師の物語

支流の木津川に架かる流れ橋は文化財でもあり
生活道路でもあります。

 菜の花や大河に架かる流れ橋

平成二十六年三月二十一日




     島間出身 久保田 昭俊

いかなご・叺子(かますご)・小女子(こうなご)
呼び名が違う同一魚らしい。他によく似た魚で
白子(しらす)、白魚(しらうお)、素魚(しろお)
いずれも春に獲れる幼魚で間違いやすい。

  泉州のいかなご神戸に揚りけり

泉南の漁師の話。大阪の市場に持って行ったら、
「神戸に持って行け」と言われるそうな。

 いかなごの釘煮や腕の見せどころ

食べる人は「うまい」と言うだけですが、作る
人は簡単ではないそうな。

 電話より早く釘煮の宅急便

神戸に住む妻の妹が毎年送ってくれる。ごちそう
さんです。 平成二十六年三月七日




     島間出身 久保田 昭俊

気温は低くても陽射しが強くなり洗濯物が
乾きやすくなりました。もうすぐ春です。

  太陽のやさしき顔に蒲団干す

 日の匂ひ散らして叩く干し蒲団

 若夫婦派手な色柄干蒲団

 干蒲団やさしく叩く母心

蒲団は布団とも書く「ふとん」です。

平成二十六年二月十五日




     島間出身 久保田 昭俊

一月も終わりになると夕暮れが遅くなったと
感じるようになります。そして、もうすぐ
春です。

  日脚伸ぶ路地に子の声母の声

 予報士の声なめらかに日脚伸ぶ

 日脚伸ぶ手の平にに乗る孫の靴

近所のおばさんは病みあがりです。がんばって
やおばちゃん。

 日脚伸ぶ日日新しき試歩の道

平成二十六年一月二十八日





     島間出身 久保田 昭俊

除夜の鐘を聞きながら近くの神社に初詣。
早速ですが、今年の運勢は

  声高に読む大吉の初みくじ

あっちの神社こっちのお寺と願をかけておけ
ば、たまには良いこともあると思います。

 小吉に人の道説く初みくじ

勝運の寺、武運の神にも行きました。

 
勝運の神を信じて初詣

結論。「努力をすれば必ず良い結果が得られ
るでしょう」ということでした。

 平成二十六年一月十二日





     島間出身 久保田 昭俊

京都の嵐山周辺は毎年のことながら大変な人
出です。

  人の波歩道にあふれた紅葉狩

桜や梅、楓(かえで)などは幹が空洞になっ
てもきれいな花が咲き、きれいに紅葉する。
老人ももう一花咲かせたいものだと思うが
・・・

 老木の色ながら散る勇姿かな

長岡天満宮の境内には大きな銀杏(いちょう)
の木があり、黄葉(もみじ)の盛りでした。

 
天神の杜(もり)に散り敷く黄葉かな


 平成二十五年十一月十九日



     島間出身 久保田 昭俊

十一月七日は立冬ですが、気候は秋の盛り。
秋晴れに紅葉がはじまり、枯葉から落葉になると
寒さを感じるようになります。
秋の日は釣瓶落としを実感します。

  秋の暮かくれんぼの子散りぢりに

 秋深し塵や芥の吹き溜まり

 秋深む物音一つなき灯下


 平成二十五年十一月三日
釣瓶=つるべ



     島間出身 久保田 昭俊

農家のおじさんは稲刈りに大忙し。案山子だって
それなりの手伝いをしているらしい。

  ランドセル背負う案山子は棒を持ち

 刈り終えて手持ち無沙汰の案山子かな

 残されて思案に暮れる案山子かな

 背広着て兼業農家の案山子かな

稲刈りも機械化が進み、稲掛けや藁塚、案山子など
の風景が少なくなるのも寂しい。


 平成二十五年十月五日
藁塚=わらづか
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     島間出身 久保田 昭俊

秋は雨も多い季節です。台風や秋雨前線の居座りで、
水害も起きる。今年の秋は、残暑から一転、雨続き、
竜巻まで起きて大変だ。

  秋雨や昨日も今日も家籠り

 秋雨や遅き昼餉のカップ麺

 夕暮れてようやく上がる秋の雨

十坪ばかりの貸農園は水びたし、みんな根ぐされに
なってしもうた。ただ一つ元気の良いのが冬瓜です。

 重たさに冬瓜の棚傾けり

 平成二十五年九月五日
昼餉=ひるげ、冬瓜=とうがん
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     島間出身 久保田 昭俊

八月七日は立秋。暦の上では秋ですが、現実は夏の
盛りです。
自然には逆らえないのでダジャレでも飛ばしま
しょう。

  残暑なおなすすべもなき牛の声

天気に関係なく、犬の散歩は毎日行かなければなら
ない。


 秋暑し木陰に憩う散歩道

夕方に軽トラでやって来る豆腐屋さん。冷奴に玉子
豆腐、よく売れています。


 残暑なお辻にいつもの豆腐売り

 平成二十五年八月十九日
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     島間出身 久保田 昭俊

京都は竹の子=猛宗竹=の産地が多い。
竹の子は一気に親の大きさになりますが、一見今年
竹と分かる青々としています。


  親に肩並べて青き今年竹

手入れの行き届いた竹林は”さやさやさや”と風の
吹き抜ける音がします。


 吹き抜ける風のささやき今年竹

今年竹は親の背を越えて、やっと青空を見ることが
できます。


 ぬきんでて風の向き知る今年竹

竹製品の店がありました。箕、笊笥、味噌漉しなど
ちゃんとした日本語です。

 平成二十五年八月六日
箕、笊笥、味噌漉し(み、そうけ、みそこし)
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     島間出身 久保田 昭俊

何といっても昼寝はこの世の極楽です。
冷房かけて一杯飲んだら道を間違って天国へ行って
しまうかも。昼酒は止めよう

  
飯食ふて極楽へ行く昼寝かな

  起こすなよテレビ消すなよ昼寝中


「またごろごろ寝転んでる」とバキーにほこられて
も、やめられないね。

  とりろめもなき夢を見て昼寝覚め

  顔に描く昼寝の証拠畳の目


何の事だったかも分からない夢に起こされる。
でも昼寝が出来るということは結構なことです。

 平成二十五年七月十七日
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     島間出身 久保田 昭俊

故郷ではもうすぐ稲刈りですが、大方の地方では
やっと稲の葉が繁って水面が見えなくなったところ。
山の水に恵まれた土地は米どころです。
伊吹山の麓も一面の青田でした。
富士山は世界遺産に登録されてよかったですね。
静岡の辺りを想像した一句です。

  
霊峰に水をいただく青田かな

四国の瀬戸内側は旱魃の心配が絶えない。

  空梅雨に一と雨天の思い遣り

台風四号のあとタイミングよく雨になりました。
種子島は平ぺったい島なのに、意外に水の多い島
だと思う。

  日本一早き稲穂の熟れ初むる

豊作であることを祈ります。

 平成二十五年七月五日
思い遣り(おもいやり)、熟れ初むる(うれそむる)
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     島間出身 久保田 昭俊

南種子会はよかったなあ。わあも元気じゃったかい、
およう、飲めや焼酎を・・・みんな大声でしゃべい
もんじゃ。

  
声高き郷の言葉や冷し酒

売店の看板は関さんのトンミーと河野さんのバキー。

  売店の美女竹の子を売り尽くす

本物の歌手もカラオケ歌手も熱演、中でも山田さん。

  熱演の鳥刺舞に大喝采

つのまきも土産にもらって、よかったよかった。
帰りの電車の中で、一人良か思いをしたとじゃよう。

  団扇振るとなりの美女の余り風

また来年会おうなあ

 平成二十五年六月十六日
郷(さと)、鳥刺舞(とりさしまい)、喝采(かっさい)、団扇(うちわ)
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道頓堀         西野出身 トンミー

  け〜きょ! あばよしきーの 大笑あ 道頓堀は だいそうどうよ

  町民歌 山紫に 水清き 道頓堀に のびやかな声

  司会者の 声も聞こえぬ モヤーかな 道頓堀に 旧友の輪

  あようもー 話は良っから 乾杯を 道頓堀に 宴を待つ人

  漁協長 ぶえんの魚ぉ いらんかい 道頓堀は おお賑わいよ

  腹いっぱい 種子島弁で 語ろうず 道頓堀は 雀の巣じゃよ

  青に赤 町名入りの 法被着て 道頓堀の カモネ音頭

  肩を組み 出身校の 校歌をば 道頓堀は 大合唱

  年毎に 豊満池を 発つ鳥よ 道頓堀に おりて戯れむ

  つのまきに かから饅頭 ぶらさげて 道頓堀を あとにする人

(2010/10/05)


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